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子供の夏の病気◆手足口病

2013/08/12 【耳鼻科の話】

京都市中京区 なかい耳鼻咽喉科院長、中井 茂です。

医師会からの情報です。

厚生労働省からの報告では手足口病の定点当たりの報告数が12週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してもかなり多くなっているとのことです。

京都市では大流行する危険性があるとして、流行発生警報が発令されました。

当院にも発熱とのどの強い痛み、手足の発疹が現れた小さなお子さんが多数受診されています。

 

それでは手足口病とはどんな病気でしょうか。厚生労働省のHPにQ&Aを見付けました。

皆さん、参考にしてくださいね。

 

Q.手足口病はどんな病気ですか?

A.口の中や、手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症。

5歳以下の乳幼児が90%を占め毎年に夏を中心として大流行し、7月下旬に流行のピークを迎えます。

病気の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71です。

過去には平成23年に最大の流行が発生しましたが、平成25年はそれに次ぐ規模の流行となっており、注意が必要です。

 

Qどのようにして感染するのですか?

A.感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。

特に、保育園児や幼稚園児さんでは原因となるウイルスに感染した経験のない子の割合が高いため、集団感染の心配があり注意が必要です。

 

Q.どのような症状が出ますか?

A.感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。

発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続くことは通常はありません。

ほとんどの発病者は、数日間のうちに治る病気です。しかし、まれですが、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。

 

Q.感染しないようにするために、どのようなことに注意すればよいですか?

A.有効なワクチンはなく、発病を予防できる薬もありません。

治った後でも、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあります。

また、感染しても発病はせず、ウイルスを排泄している場合があります。

これらのことから、発病した人だけを長期間隔離しても有効な感染対策とはならず、現実的でもありません。

衛生観念がまだ発達していない乳幼児の集団生活施設では、感染の広がりを防ぐことは難しいです。しかし、手足口病は、発病しても、軽い症状だけで治ってしまうことがほとんどであるという意味で、感染してはいけない特別な病気ではありません。

これまでほとんどの人が子どもの間にかかって、免疫をつけてきた感染症です。

一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。

特におむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、お母さんもしっかりと手洗いをしてください。

手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしないようにしましょう。

手足口病は、治った後も比較的長い期間便の中にウイルスが排泄されますし、また、感染しても発病しないままウイルスを排泄している場合もあると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗いが大切です。

 

Q.治療方法はありますか?

A.手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。基本的には軽い症状の病気ですから、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。

しかし、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。 


なかい耳鼻咽喉科 耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科・アレルギー科

院長 中井 茂(なかい しげる)

院長 中井 茂(なかい しげる)

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