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スギ花粉舌下免疫療法
2013/08/05 【耳鼻科の話】
京都市中京区 なかい耳鼻咽喉科院長、中井 茂です。
皆さんスギ花粉症免疫療法をご存知ですか?
この治療法は身体の免疫機構に働きかけて、スギ花粉症を起こしにくい体質へ変えてしまう方法です。
従来から行われている方法(皮下免疫療法)は、微量のスギ抗原エキスを腕の皮下に注射し少しずつ増量して一定量に達した後、月一回の注射を約2年継続する方法です。
当院では開院以来多くの患者さんが治療を受けておられ、花粉症が楽になったと喜んでいただいております。
この治療法は投薬などの対症療法とは違い、スギ花粉症を根本治療できる有効な方法なのですが、6ヶ月間続く週一回の注射と、2〜3年間と長い治療期間の負担、頻度は極めて低いものの抗原を注射することによって誘発されるアナフィラキシーショックの心配がありました。
しかしとびきりの朗報があります。
ニュースなどでも度々取り上げられていますのでご存知の方も多いかもしれませんね。
今まで自費で治療を受けるしかなかった舌下免疫療法がこの11月頃にもいよいよ健康保険でカバーされる見込みとなりました。
舌下免疫療法とは、スギ抗原エキスを通院で注射するのではなく、自宅で毎日一回スギ抗原エキスを口の中に垂らし、その後数分間保持し、そして飲み込むだけの治療法です。
痛みもありませんし、通院の手間もかなり省かれ、免疫療法に興味のある患者さんにとっては大変魅力的な治療となるのではないでしょうか。
舌下免疫療法が保険適応された際は、当院では従来の皮下免疫治療以上に皆様へ積極的に施行していきたいと考えております。
さて先日土曜日に開催された京滋臨床免疫アレルギー懇話会では、スギ花粉症舌下免疫療法の生みの親とも言える日本医科大学の大久保公裕教授がこの注目の治療法に関するご講演をされました。
大変具体的な治療法のお話があり、また、治療期間はやはり2年が目標と長期ですが、患者さんには2週間毎に診察に来ていただきスギ抗原エキス剤をお渡しすることになるそうですので、今までの皮下免疫療法と比べて、通院の負担が大きく軽減されることが確認できました。
また安全性は皮下免疫療法よりも更に高く、アナフィラキシーなど重篤な副反応はほぼ起こらないことが分かっています。
気になる効果は皮下投与と比べて遜色ないことが知られていますが、1年目よりも2年目以降に効果高まることも皮下投与の際と同様です。
この舌下免疫療法は簡便で安全に自宅で行える治療法ですが、重症な喘息や心疾患お持ちの方、妊娠中の方には開始することができません。
また、スギ花粉の飛散時期には効果面から考えて原則治療を開始することは望ましくありません。
この治療法にご興味をお持ちの方は多数おられると思いますが、治療法の保険適応は現時点ではあくまで見込みであり、薬の使用法も確定されたものではありません。費用面も未だ不明です。
皆さん期待の治療法、正確な情報を皆様へ提供できるようこれからも学会や勉強会へは必ず参加し、販売メーカー情報担当者さんとも密に連絡を取りあって行くつもりです。
状況に変化がありましたらその都度Facebookでお知らせをしていきますし、保険適応が確定しましたらこのブログでもお知らせいたします。
舌下免疫療法を待ち望んでいた方も多いと思います。
今しばらくお待ち下さいね。
院長 中井 茂(なかい しげる)
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