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中耳炎のお話
2010/10/26 【耳鼻科の話】
京都市中京区 なかい耳鼻咽喉科院長、中井 茂です。
今日は寒かったですね~!
冷たい風がピューピュー吹いていて、思わず肩をキュッとすぼめてしまいました。
急に寒くなったためか、京都市中京区にある僕の医院でも昨日今日くらいから風邪の患者さんが増えてきました。
鼻やのどの痛みだけでなく、熱も出始めた赤ちゃんや子供さんもおられます。
どうぞ体調管理にはお気を付けくださいね。
この季節は寒さが増すとともに中耳炎の子供さんが急に増える時期でもあります。
多くの場合、中耳炎は風邪の症状が落ち着いて数日してお母さんがホッとされた頃に起こります。
やっと熱が下がって一安心・・・と思った頃が発症のタイミングなのです。
ところで、中耳炎の原因は何だかご存じですか?
みなさんは細菌やウイルスが耳の穴から奥へ入って来て炎症を起こす事だと思っておられませんか?
実は耳の穴からではなく、鼻→耳と鼻をつなぐ耳管→鼓膜の内側の小さな部屋である鼓室・・・と入りこんで炎症を起こすことが原因なのです。
強い炎症のために耳の激痛を急に生じたり、時には高熱を引き起こすこともあります。
皆さんお話しすると驚かれますが、鼓膜は眼の角膜と同じくらい痛みに敏感なのですよ。
「眼の角膜」と聞けば、もう想像するだけで痛いですよね・・・。
赤ちゃんなら泣き続けるのも当然、というわけです。
小さな子供さんでは耳の痛いことを伝えることができませんから、「機嫌が悪いだけ・・・」とご両親が異変に気が付くのが遅くなったり、原因の不明の高熱として対処されたために治療が遅れ、鼓膜を切開して膿を出さなくてはいけなくなったり、ひどい時には入院が必要になったりすることさえあります。
中耳炎の治療もやはり「早期発見・早期治療」が大切で、早期に適切な治療が行われると約一週間程で完治します。
治療の基本は鼓膜の炎症の程度(充血の強さや膿の貯留)、年齢、熱発の有無から判断される重症度に応じた、最適な抗菌剤の処方が基本です。
最近では薬の効きにくい耐性菌による中耳炎が非常に多くなりました。
その対処には鼻水や耳からの細菌検査をして、その結果に応じた抗菌剤の選択が一層重要となってきています。
お子さんの風邪の後、「何だかグズグズといつまでも機嫌が悪いな・・」「なぜか微熱が続くわ・・」という時には中耳炎の心配があります。
その様な時にはどうか今日のお話を思い出して頂いて、早めに耳鼻咽喉科に足を運んでみて下さいね。
↑正常な鼓膜
↑赤く炎症を起こした鼓膜。痛そうです・・・
↑炎症が進んで膿が溜まっています。ここまでくると切開が必要です。
院長 中井 茂(なかい しげる)
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